デザインを知るための10の質問 vol.5
2008/10/02
昨日から10月!『衣替え』ですが、9月下旬には、あまりの涼しさに衣替えをしていたシモサカです。
みなさんは体調不安定になっていませんか?
食欲・読書・芸術の秋など何かを始めるには良い季節ですね。
さて、不定期に掲載していく【デザインを知るための10の質問】ですが、第5回の今日は、主に空間デザインや西洋美術史を担当している吉富先生の登場です。
これを読んで『デザイン』について、少しでも知ってもらえたら嬉しいです
【デザインを知るための10の質問】
回答者:吉富先生
Q.01:デザインとは何ですか?
A:いきなりストレートな質問ですね! まっ、頑張ってお答えします。 早速ですが、デザインとは今までに《無かったモノ》や《見たことの無いモノ》に形を与える事、つまり人(個人)や社会(団体)が『夢に見たものを具体的に形にしていく事』がデザインと考えます。
Q.02:デザインをするのに必要なもの(大切なもの)は何ですか?
A:デザインに必要なモノは《形と色の統一》とか《バランス》《イメージ》などといわれます。 が、その前に大切なものは『コンセプト』です。 それをデザインする『目的』です。 言い換えればなぜそれを造ったのかと言う作り手側から、使う側への『メッセージ』(想い)です。 それが無いとがないと駄目だと思います。 メッセージ(想い)が無いモノは売れないし買わない。
Q.03:いいデザインとはどんなデザインですか?
A:この質問は100年前にウイリアム・モリスが社会(産業革命)に対し提言した問題です。 結論から言うとまだその答えを社会は出していないと思います。 たとえばヨーロッパではアールヌーボやアールデコなどは時代の流行(はやり)として過ぎ去り、アメリカではリ・シェイプが起こり、50年前にはGマーク(よいデザインに与えられる)が出来ましたが今はどうでしょうか? デザイナーは時代のニーズに応える事がいいデザインと信じていましたが、その後も地球環境破壊は続き最近はエコマーク・リサイクルマーク・CO2削減・・・リ・デザイン? 大切なのは『いいデザインは何か』結論付けるのではなく、デザイナーというより人として『良心的デザインとは何かを考え続けること』だと思います。
Q.04:どうすればデザインがうまくなりますか?
A:これには2つの方法があると思います。 一つ目は人体的に『右脳を使う訓練』です。 これによって想像力(イマジネーション)を養います。 二つ目は『大人の視野で遊ぶ』ことです。多少お金は掛かりますが、いろいろな所で遊んでみることです。 これによって得た情報(物知りになること)がいいアイデアになります。
Q.05:デザインするときに気をつけなくてはいけないことは何ですか?
A:テーマやモチーフ・言葉などの選択の必然性ですかね? たまに何でそれ?それ違うでしょ?それ合わないんじゃない?と思うことありますよね。 これらの原因は、つい自分の好きなものを主観的に安易に選んでしまいがちだからです。 自分のデザインを客観的(第三者的)に厳しい目で見ることを忘れないでほしい。
Q.06:デザインにおける反則技とは何ですか
A:面白い質問ですね! 今思いつく答えは『違うクライアントに同じデザインを出すこと』。バレナキャイイカ的発想?でもばれたら信用がたがた。 これは反則ですよね。 一度コンペに出したデザインはほかのコンペには出せない。 これと一緒。 ただし、たとえばお互いが時間が無いことを認めてる場合などに過去のデザインを引っ張り出してクライアントのいるその場でリ・デザインすることは裏技として使えるのでは。
Q.07:どこまでが真似で、どこからがオリジナルですか?
A:またまた面白い質問!では答えは、見た目がまったく違うモノでも発信されているメッセージ(想い)が同じであれば真似? 逆に見た目は似ていても発信されているメッセージ(想い)が新しければ(違えば)オリジナル?かな。 ウォーホールやリキテンシュタインのようにコピー文化を創った人たちもいるし。
Q.08:デザインとアートの違いは何ですか?
A:今度はデザイナーを悩ませる質問ですね!単純に『クライアントがいるのがデザイン』で『クライアントがいないのがアート』ってことかな? たとえばデザインされた商品(家具)がアート化する事もあり、逆にアートが商品(Tシャツ)としてデザイン化されることもある。 ということは『デザインはその商品(Tシャツ)を買った消費者だけのモノになる』でも『アートは商品(家具)を買わなくても万人のもモノになる』だってアートは人の真実を教えてくれるモノでしょ? つまり『デザインは売物』だとすると『アートは非売品』てことかな。
Q.09:これまでにご自身がデザインされた中で最も印象に残っているものと、その理由を教えてください。
A:私が最初に任されたデザインの仕事はサンリオという『キティーちゃん』を売るファンシーショップ専門店でした。 毎回テーマを変えることが大変で、この店のテーマは『お城』とか『宇宙スペース』『おとぎの国』『遊園地』『ゲーム機の中』『海賊船』とか、いろいろアイデアを出して、いかに子供たちが楽しんで買い物をしてくれるかを常に考えていました。 この仕事はまさに質問(1)の答えで、『夢を形にしていく』仕事でした。 お店がオープンすると沢山の子供たちが店内を埋め尽くし、店内の装飾にアット驚きながらみんな楽しそうに商品を手にとる姿を見て、単純に私も幸せな気分になれました。
Q.10:素晴しいと思うデザインの具体例(他者、あるいは自然造形?なんでも構いません)とその理由を挙げてください。
A:二つの究極デザイン。 一つ目はルネサンス期の『大聖堂』です。 まさに芸術が開花した時代、教会は総合建築といわれ、そこには彫刻・絵画・工芸・など全てのものが含まれる小宇宙が出来上がった。 信者でなくとも、その空間に入れば心休まる究極の癒しの空間(慈愛)です。(もちろん日本の神社仏閣もいいですけどね!) もう一つの究極デザインは『乗り物』です。 レーシングカー・新幹線・飛行機・ロケット・宇宙船などの発達は人の生命と未来(夢)が懸かっているからです。現在を生きるには過去と未来・愛と夢どちらも必要ですよね。 以上楽しい質問でした。ありがとう。
いかがでしたか?
今日は読み応えありましたよね。
次回もお楽しみに!!!
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みなさんは体調不安定になっていませんか?
食欲・読書・芸術の秋など何かを始めるには良い季節ですね。
さて、不定期に掲載していく【デザインを知るための10の質問】ですが、第5回の今日は、主に空間デザインや西洋美術史を担当している吉富先生の登場です。
これを読んで『デザイン』について、少しでも知ってもらえたら嬉しいです
【デザインを知るための10の質問】
回答者:吉富先生
Q.01:デザインとは何ですか?
A:いきなりストレートな質問ですね! まっ、頑張ってお答えします。 早速ですが、デザインとは今までに《無かったモノ》や《見たことの無いモノ》に形を与える事、つまり人(個人)や社会(団体)が『夢に見たものを具体的に形にしていく事』がデザインと考えます。
Q.02:デザインをするのに必要なもの(大切なもの)は何ですか?
A:デザインに必要なモノは《形と色の統一》とか《バランス》《イメージ》などといわれます。 が、その前に大切なものは『コンセプト』です。 それをデザインする『目的』です。 言い換えればなぜそれを造ったのかと言う作り手側から、使う側への『メッセージ』(想い)です。 それが無いとがないと駄目だと思います。 メッセージ(想い)が無いモノは売れないし買わない。
Q.03:いいデザインとはどんなデザインですか?
A:この質問は100年前にウイリアム・モリスが社会(産業革命)に対し提言した問題です。 結論から言うとまだその答えを社会は出していないと思います。 たとえばヨーロッパではアールヌーボやアールデコなどは時代の流行(はやり)として過ぎ去り、アメリカではリ・シェイプが起こり、50年前にはGマーク(よいデザインに与えられる)が出来ましたが今はどうでしょうか? デザイナーは時代のニーズに応える事がいいデザインと信じていましたが、その後も地球環境破壊は続き最近はエコマーク・リサイクルマーク・CO2削減・・・リ・デザイン? 大切なのは『いいデザインは何か』結論付けるのではなく、デザイナーというより人として『良心的デザインとは何かを考え続けること』だと思います。
Q.04:どうすればデザインがうまくなりますか?
A:これには2つの方法があると思います。 一つ目は人体的に『右脳を使う訓練』です。 これによって想像力(イマジネーション)を養います。 二つ目は『大人の視野で遊ぶ』ことです。多少お金は掛かりますが、いろいろな所で遊んでみることです。 これによって得た情報(物知りになること)がいいアイデアになります。
Q.05:デザインするときに気をつけなくてはいけないことは何ですか?
A:テーマやモチーフ・言葉などの選択の必然性ですかね? たまに何でそれ?それ違うでしょ?それ合わないんじゃない?と思うことありますよね。 これらの原因は、つい自分の好きなものを主観的に安易に選んでしまいがちだからです。 自分のデザインを客観的(第三者的)に厳しい目で見ることを忘れないでほしい。
Q.06:デザインにおける反則技とは何ですか
A:面白い質問ですね! 今思いつく答えは『違うクライアントに同じデザインを出すこと』。バレナキャイイカ的発想?でもばれたら信用がたがた。 これは反則ですよね。 一度コンペに出したデザインはほかのコンペには出せない。 これと一緒。 ただし、たとえばお互いが時間が無いことを認めてる場合などに過去のデザインを引っ張り出してクライアントのいるその場でリ・デザインすることは裏技として使えるのでは。
Q.07:どこまでが真似で、どこからがオリジナルですか?
A:またまた面白い質問!では答えは、見た目がまったく違うモノでも発信されているメッセージ(想い)が同じであれば真似? 逆に見た目は似ていても発信されているメッセージ(想い)が新しければ(違えば)オリジナル?かな。 ウォーホールやリキテンシュタインのようにコピー文化を創った人たちもいるし。
Q.08:デザインとアートの違いは何ですか?
A:今度はデザイナーを悩ませる質問ですね!単純に『クライアントがいるのがデザイン』で『クライアントがいないのがアート』ってことかな? たとえばデザインされた商品(家具)がアート化する事もあり、逆にアートが商品(Tシャツ)としてデザイン化されることもある。 ということは『デザインはその商品(Tシャツ)を買った消費者だけのモノになる』でも『アートは商品(家具)を買わなくても万人のもモノになる』だってアートは人の真実を教えてくれるモノでしょ? つまり『デザインは売物』だとすると『アートは非売品』てことかな。
Q.09:これまでにご自身がデザインされた中で最も印象に残っているものと、その理由を教えてください。
A:私が最初に任されたデザインの仕事はサンリオという『キティーちゃん』を売るファンシーショップ専門店でした。 毎回テーマを変えることが大変で、この店のテーマは『お城』とか『宇宙スペース』『おとぎの国』『遊園地』『ゲーム機の中』『海賊船』とか、いろいろアイデアを出して、いかに子供たちが楽しんで買い物をしてくれるかを常に考えていました。 この仕事はまさに質問(1)の答えで、『夢を形にしていく』仕事でした。 お店がオープンすると沢山の子供たちが店内を埋め尽くし、店内の装飾にアット驚きながらみんな楽しそうに商品を手にとる姿を見て、単純に私も幸せな気分になれました。
Q.10:素晴しいと思うデザインの具体例(他者、あるいは自然造形?なんでも構いません)とその理由を挙げてください。
A:二つの究極デザイン。 一つ目はルネサンス期の『大聖堂』です。 まさに芸術が開花した時代、教会は総合建築といわれ、そこには彫刻・絵画・工芸・など全てのものが含まれる小宇宙が出来上がった。 信者でなくとも、その空間に入れば心休まる究極の癒しの空間(慈愛)です。(もちろん日本の神社仏閣もいいですけどね!) もう一つの究極デザインは『乗り物』です。 レーシングカー・新幹線・飛行機・ロケット・宇宙船などの発達は人の生命と未来(夢)が懸かっているからです。現在を生きるには過去と未来・愛と夢どちらも必要ですよね。 以上楽しい質問でした。ありがとう。
いかがでしたか?
今日は読み応えありましたよね。
次回もお楽しみに!!!
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